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2025.12.23

オニヒトデ大量発生は人間活動の影響を受けているか?(その1)

災害は忘れた頃にやってくる、とは気候変動による異常気象が明らかになる前のことですが、オニヒトデの大量発生には今も当てはまります。沖縄県内で大量発生がもっとも頻繁に起きた沖縄県恩納村沿岸では、1972年、1984年、1996年、2011年にオニヒトデが大量発生しました(恩納村漁業協同組合が集計した年間駆除数が急激に増加した年)。それぞれの間隔は12年または15年です。オーストラリア・グレートバリアリーフ(以下GBRと省略)でも1960年代からほぼ15年間隔で4回の大量発生が起きました。これらの間隔を「周期」と言うには科学的な根拠がまだはっきりしていませんが、オニヒトデの大量発生を理解する重要なポイントがいくつかあります。

 

そのひとつが、1960年代以降に繰り返し起きた大量発生の頻度が過去からずっと続いていたとは考えにくいことです。オニヒトデの大量発生は少なくとも4年、長い場合は10年前後続きます。これは、放卵・放精で繁殖するオニヒトデが集団になって繁殖すると、受精率が劇的に高まって莫大な数の幼生がつくられ、それらが2年後にまた集団になるというサイクルが、餌であるサンゴを食べ尽くすまで繰り返されるからです。そうして荒廃した海底には再びサンゴが着生し始めるのですが、オニヒトデや白化現象や赤土流出などのかく乱がなかったとしても、元通りに回復するには10年以上かかります。お気付きでしょうか?オニヒトデ大量発生が十数年という間隔で起きると、サンゴ群集は十分に回復できないまま再びオニヒトデに食べられ、徐々に衰退してゆきます。

 

現在、私たちが見ているサンゴ礁は、1万数千年~1万年前に氷河期が終わって、上昇する海面に追いつくようにサンゴなどの石灰骨格が積み重なって形成されました。その速さは海底を隙間なく覆うくらいサンゴ群集が維持されていないと達成されません。もし、この間にオニヒトデが十数年間隔で大量発生していたら、サンゴ礁の浅瀬はできず、海岸からゆるやかに深くなって沖合で白波が砕ける風景はみられなくなっていたと思われます。

 


岡地 賢

 

オニヒトデ大量発生は人間活動の影響を受けているか?(その2)