みんなができること
みんなができるオニヒトデ対策
オニヒトデ大量発生には陸から流入するリンや窒素などの栄養塩が関わっていることが分かってきました。これらのリンや窒素は人の活動に伴って排出され、河川や排水を通ってサンゴ礁に流入します。例えば、私たちが洗剤やシャンプーを使い過ぎたり、食べ残しを排水口に流すと、海に流れ込むリンや窒素が増えることになります。海水中のリンや窒素が増えると植物プランクトンが増加し、通常は餌がなくて死んでしまうオニヒトデ幼生がたくさん生き残って、オニヒトデ大量発生を引き起こす危険性を高めます。オニヒトデ大量発生を起こさないために、サンゴ礁へ流入するリンや窒素を減らす対策が必要と考えられています。
栄養塩の対策は、オニヒトデ駆除に比べると大変地味で、その効果が実感しにくいものですが、全ての人が何らかの貢献ができるものです。リンや窒素の増加やその他の水質汚染は海藻類の異常発生やサンゴの病気・骨格形成異常などとの関連も指摘されていますので、小さな積み重ねこそが大きな効果になるものと期待されます。
台所では

・食事や飲み物は必要な分だけつくり、残り物を流さないようにしましょう。
・食器や鍋の汚れは拭き取ってから洗うなど、「よごれのもと」を流さない工夫をしましょう。
・食器を洗うときの洗剤は適量を使いましょう。
・調理くずや食べ残しが流れてしまわないように、水切り袋などを使いましょう。
・お米のとぎ汁は植木の水やりに利用しましょう。
トイレ・お風呂・洗濯では

・トイレットペーパーの使いすぎに注意しましょう。(トイレットペーパーの量が多いと、汚れを浄化する微生物がうまく働くことができません。)
・入浴や洗濯の際は、石けん・洗剤・シャンプーなどは適量を使いましょう。
・食器を洗うときの洗剤は適量を使いましょう。
・お風呂の排水口に目の細かいネットを張るなどしましょう。
・お風呂の残り湯は洗濯に利用しましょう。
その他にも
生活排水対策以外にも、オニヒトデについて学習したり、オニヒトデの大量発生が自分達の生活に関係していることを知ること、知ったことを周りのみんなに教えることも、誰でもできるオニヒトデ対策の一つです。
もしあなたがダイバーであれば、実際のモニタリングに協力したり、オニヒトデの大量発生を見つけたら沖縄県自然保護課に知らせることで、調査研究に貢献できます。