大量発生の予測

この図はオニヒトデの幼生が流れ着く可能性を示しています。幼生が流れ着く可能性は海流やクロロフィルなどの情報を用いて統計モデルにより算出されました。オニヒトデの幼生がたくさん流れ着くと、それらが成長する2年後にオニヒトデが大量発生する可能性があります。オニヒトデの大量発生は、浮遊幼生期や稚ヒトデ期の生存率が高くなることが原因だと考えられていて、生存率が高くなる要因として以下の要因があります。

1.水質(幼生の餌)――栄養塩と植物プランクトン

2.幼生分散(幼生のゆくえ)――海流、着底場所

3.個体群プロセス(稚ヒトデ)――捕食者、サンゴ

稚ヒトデモニタリングを行うときに、オニヒトデの幼生がたくさん流れ着きそうな場所を、ぜひ参考にしてみてください。皆さんから調査結果をお知らせいただければ今後のオニヒトデ大量発生の予測に反映することができ、より正確な大量発生の予測につながります。

オニヒトデ大量発生の予測モデルはつぎのような要因を考慮して計算されています

オニヒトデの成体の数 - 産み出される卵の数(発生予測モデルの初期値)

海流 - 卵から産み出されたオニヒトデ幼生が流れ着く場所

植物プランクトンの発生量 - オニヒトデ幼生が餌を食べて生き残る数

オニヒトデ幼生が流れ着く場所のサンゴの量 - 着底後のオニヒトデの成長

オニヒトデ大量発生の予測は、稚ヒトデモニタリングの結果だけでなく、予測したい地域のサンゴの被度やオニヒトデの数、海流、植物プランクトンの分布状況などの情報を考慮し、確率統計モデルと組み合わせることで、より精度の高い予測が可能となります。ただし、予測には複雑な計算過程があり、必要な情報が全て手に入るわけではないうえ、情報の精度によって結果も左右されることがあります。

これまでの調査研究や事業の成果をもとに、オニヒトデ大量発生の予測に用いる情報をpdf以下にまとめました。

 

稚ヒトデの多い場所の考え方