稚ヒトデモニタリングによる予測

稚ヒトデモニタリングによる予測

これまでは、オニヒトデの大量発生は突然起こり、あらかじめ準備をすることが難しいと言われてきました。しかし、沖縄県による調査研究事業により、大量発生の兆候をとらえる方法として、稚ヒトデモニタリングが考案されました。稚ヒトデモニタリングは、卵から産まれた幼生が着底して半年程度の小さなオニヒトデを探して、その数から2年後のオニヒトデの大量発生を予測する手法です。下の図は恩納村沿岸の稚ヒトデの数と(青)、その2年後のオニヒトデ駆除数(グレー)をグラフにしたものです。図からわかるように、稚ヒトデの数とオニヒトデの駆除数はよく対応しています。両者の間には数学的にも強い相関関係がみられました。

恩納村の稚ヒトデ個体数とオニヒトデ駆除数

恩納村の稚ヒトデ個体数とオニヒトデ駆除数.

恩納村における稚ヒトデ個体数とオニヒトデ駆除数の相関関係図.

恩納村における稚ヒトデ個体数とオニヒトデ駆除数の相関関係図.

沖縄県は恩納村沿岸から宜野湾市沖にかけての複数の調査地点で稚ヒトデモニタリングを実施しています。2023年は稚ヒトデの数が少なかったため、2年後の2025年にオニヒトデが大量発生する可能性は低いと考えられます。ただし、オニヒトデの餌であるサンゴは多く、オニヒトデ幼生が生き残る条件もととのっていると考えられるため、引き続き注意が必要です。

 

2013年から2023年の稚ヒトデの数.