どうして大量発生するのか
どうして大量発生するのか?
オニヒトデの大量発生は自然状態でも起こることが知られていますが、近年では人間の活動がその頻度を高めていると考えられています。通常ならばほとんどが死ぬはずのオニヒトデの幼生が生き残って数年後に大量発生を引き起こします。幼生が生き残る理由の一つは、人間の活動によって海に流れ込む栄養塩の増加です。
オニヒトデの幼生は植物プランクトンを食べて成長します。海水中のリンや窒素などの栄養塩が増えると、それらを吸収して植物プランクトンも増えて幼生にとって餌が豊富な状態となり、生き延びる可能性が高まります。沿岸海域では、河川や排水を通じて陸地から窒素やリンが流入します。特に都市部では、人間の活動によって排出された栄養塩が多いことがわかっています。そのため、人間活動の発達にともなって大量発生が頻繁に起きるようになったと言えます。
近年の研究により、栄養塩の増加はサンゴの健全な成長を阻害することも指摘されています。サンゴ礁の水質対策はオニヒトデからサンゴを守るだけでなく、サンゴ礁を健全に維持するために重要です。
サンゴを守るために海に流入する栄養塩を減らすことは皆さんでもできます。

